王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―
全方位からの火炎放射。
直撃かと思われたが、マルタを覆うように黒い球体が現れると、球体に接触する直前に炎の軌道が曲がり、ブレスを放ったドラゴンへと戻って行った。
斥力。重力の反対の作用を持つ。
今のマルタにドラゴンの攻撃は届かない。
残り五分。
ふぅっと息を吐くと、レインはエナへと視線を向ける。
「妖精、この霧を晴らせるか」
「霧を? 普通の霧なら出来なくもないけど、これは幻龍の魔法だから……」
「出来るのなら問題はない。幻術フィールドとはいえ霧は霧だ。一時的に幻龍の姿が確認できればいい」
五分後にやるぞ。
エナは分かったと一言だけ頷き、結界の威力を高めた。
五分後に全てが決まる。