野良ライオンと文系女の猛獣使い
「この辺りとか言われてもね。面識もない相手だし、それにどっちも好みじゃないわよ」


チラリと新聞を見た感じでは、確かに写真の二人は整った顔立ちをしていた。

けど、それが私の好みに当てはまるかは全く別の話な訳で。
笑顔の青年はなんとなく、その爽やか過ぎる笑顔が苦手かな、と思わせるには充分だったし、仏頂面の方は、記事になるのに何故作り笑いの一つも浮かべてやらないのか、と若干腹がたった。まぁ作り笑いを浮かべていたらいたで、文句の一つも飛び出したんだろうけどさ。
つまり、早い話が『二人まとめて願い下げです』ということ。

うん。私の結論がそうなんだから、この話題は終了でしょう。


「えー、二人ともイケメンじゃん。こっちの方とか優しそうだし、お兄ちゃんに欲しかったりして。……ねえ、お父さんもそう思うよねー?」


くっ!?この娘、話題を流さないし!!

というか、出会ってもない人間と恋人になるとか不可能だし、出会う予定もない。
その辺りのことをわかってるのか微妙な表情で、写真の右側──笑顔の青年の方──を指差し、あろうことか父さんに同意を求めようとしてる辺りが、末恐ろしい。
なんか加奈子に似てきたな、という意味で。


「そうだなぁ。左の子も、悪くはないと思うよ」


って、父さん!?
その反応は予想外だわ。


「私は右側のが好きかなー…。こっちの方が優秀っぽいし」

「どちらも優秀な子じゃないか、ほら」


と、父さんは写真の少し下を指差す。
新聞は父さんが読んでいた物なので自然、私と真唯が覗き込む形になった。
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