野良ライオンと文系女の猛獣使い
細かい文字の羅列に、ざっと目を通す。
趣味は読書で、書き手志望だったりする私にとって、地方記事──それも小さな見出しくらいならすぐに読破できた。
二人の青年についての評価と考察のようなものが書いてあったが、あまり関係ないので無視。
要点だけ言うなら、どうやらピアノのコンクールで優秀な成績を修めたらしい。そして右側(爽やかスマイルの方)が、左側(仏頂面)よりやや優れた成績だったそうだ。
『らしい』やら『そうだ』なんて曖昧な表現なのは、私自身が音楽関係に明るくないからだ。
記事の感じからなんとなく凄そうなイメージは伝わってくるけど、それが具体的にどれくらい凄くて、右側と左側にどれくらい差があるのかがわからない。
ただわかるのは、私のような凡庸な人間に比べれば、この二人は新聞の記事になる程度は才能ある人間なんだろうということくらいか。
善くも悪くも地方記事だけど。
「才能だけじゃあ、こうはいかないだろう?きっとしっかりとした努力もしてきたんだろうな。何かに打ち込めるっていうのは、素晴らしいことじゃないか」
と、私の思考をトレースしたかのように言う父さん。
理屈じゃ、父さんの言う通りだとは思うんだけど、感情というか感覚というか、そんな感じのものが邪魔をする。早い話が妬みのような。二人の年齢が、私と近いのも原因かもしれない。
立つ舞台が違うんだから、そんなこと思ったって仕方ないのに。
「うーん…、でもやっぱり右側かなぁ?」
と、これは記事を読み終わったんだろう真唯のセリフ。
「何をもってそう思うのよ?……この爽やか君が好みなの?」
私の言葉に「そうじゃないけど」と苦笑しながら、
「だってお姉ちゃんと並べて見映えするじゃない」
「なにそれ」
本気で呆れた、というか理解出来ないわよ。
「私のことじゃなくてお姉ちゃんの相手は、って話してたんだからさ。……お姉ちゃんにはなるべく幸せになってほしいし」
……いや、それが理解出来ないって。別にお見合いする訳じゃないんだしさー。
趣味は読書で、書き手志望だったりする私にとって、地方記事──それも小さな見出しくらいならすぐに読破できた。
二人の青年についての評価と考察のようなものが書いてあったが、あまり関係ないので無視。
要点だけ言うなら、どうやらピアノのコンクールで優秀な成績を修めたらしい。そして右側(爽やかスマイルの方)が、左側(仏頂面)よりやや優れた成績だったそうだ。
『らしい』やら『そうだ』なんて曖昧な表現なのは、私自身が音楽関係に明るくないからだ。
記事の感じからなんとなく凄そうなイメージは伝わってくるけど、それが具体的にどれくらい凄くて、右側と左側にどれくらい差があるのかがわからない。
ただわかるのは、私のような凡庸な人間に比べれば、この二人は新聞の記事になる程度は才能ある人間なんだろうということくらいか。
善くも悪くも地方記事だけど。
「才能だけじゃあ、こうはいかないだろう?きっとしっかりとした努力もしてきたんだろうな。何かに打ち込めるっていうのは、素晴らしいことじゃないか」
と、私の思考をトレースしたかのように言う父さん。
理屈じゃ、父さんの言う通りだとは思うんだけど、感情というか感覚というか、そんな感じのものが邪魔をする。早い話が妬みのような。二人の年齢が、私と近いのも原因かもしれない。
立つ舞台が違うんだから、そんなこと思ったって仕方ないのに。
「うーん…、でもやっぱり右側かなぁ?」
と、これは記事を読み終わったんだろう真唯のセリフ。
「何をもってそう思うのよ?……この爽やか君が好みなの?」
私の言葉に「そうじゃないけど」と苦笑しながら、
「だってお姉ちゃんと並べて見映えするじゃない」
「なにそれ」
本気で呆れた、というか理解出来ないわよ。
「私のことじゃなくてお姉ちゃんの相手は、って話してたんだからさ。……お姉ちゃんにはなるべく幸せになってほしいし」
……いや、それが理解出来ないって。別にお見合いする訳じゃないんだしさー。