野良ライオンと文系女の猛獣使い
「別に、加奈子に心配してもらわなくても、私は大丈夫です」
と、これも半ばパターン化した返事。
「親友だもん、親友するさー。それに、あざとちゃんったら、ことごとくフラグを潰すからさ、余計に」
「は?フラグ?」
「うん。高校時代にはちょいちょいあったでしょー?おんなじ委員会だったり、ふとしたきっかけで二人で居残りしたり。あー…、後は朝の散歩のランナーさんとかさ」
「フラグってそういう意味?……っていうか、委員会とか一緒に居残りしたくらいで恋人に成れるなら、世の中に行き遅れは存在しないわよ」
「そーなんだけどさー…。あ!じゃあアレ!卒業前に不良に絡まれてたのを、助けてくれた人とか。さすがに一緒に居残りとはレベルが違うインパクトがあると思うんだけど、そのフラグをぶっちぎったあざとちゃん的には、それ以上のきっかけを求めているって感じだったりしちゃったり?」
何だこの、訳のわかんない日本語は。
いや、加奈子が伝えようとしてる意味は分かる。そうじゃなきゃ、会話なんて成立しないし。
ただ、もう少し正しい日本語を……私だって、それほど分かってる訳じゃないけど。
「大事なのはインパクトじゃないでしょ?会話してみて、感性が合うか合わないか。……大体、不良から助けてくれたっていうより、喧嘩したら結果的に私を助けることになったって感じだったし。その後は、会話らしい会話もせずに終了。アンタの言う、フラグ云々なんて立つヒマもなかったわよ」
「そこで食い下がれば、ケータイ小説的な恋が展開できたんだよ!あー、もったいないなぁ」
「恋に発展すればね……」
うん。無いな。絶対。
現実的に考えて、不良に絡まれる確率も、それから助けてもらえる確率も、助けてくれた相手が好みのタイプな確率も、そこで声をかけて友達に成れる確率も、とてつもなく低い。
夢見る乙女的な眼をしてる加奈子には悪いが、ケータイ小説はケータイ小説だと思う。
と、これも半ばパターン化した返事。
「親友だもん、親友するさー。それに、あざとちゃんったら、ことごとくフラグを潰すからさ、余計に」
「は?フラグ?」
「うん。高校時代にはちょいちょいあったでしょー?おんなじ委員会だったり、ふとしたきっかけで二人で居残りしたり。あー…、後は朝の散歩のランナーさんとかさ」
「フラグってそういう意味?……っていうか、委員会とか一緒に居残りしたくらいで恋人に成れるなら、世の中に行き遅れは存在しないわよ」
「そーなんだけどさー…。あ!じゃあアレ!卒業前に不良に絡まれてたのを、助けてくれた人とか。さすがに一緒に居残りとはレベルが違うインパクトがあると思うんだけど、そのフラグをぶっちぎったあざとちゃん的には、それ以上のきっかけを求めているって感じだったりしちゃったり?」
何だこの、訳のわかんない日本語は。
いや、加奈子が伝えようとしてる意味は分かる。そうじゃなきゃ、会話なんて成立しないし。
ただ、もう少し正しい日本語を……私だって、それほど分かってる訳じゃないけど。
「大事なのはインパクトじゃないでしょ?会話してみて、感性が合うか合わないか。……大体、不良から助けてくれたっていうより、喧嘩したら結果的に私を助けることになったって感じだったし。その後は、会話らしい会話もせずに終了。アンタの言う、フラグ云々なんて立つヒマもなかったわよ」
「そこで食い下がれば、ケータイ小説的な恋が展開できたんだよ!あー、もったいないなぁ」
「恋に発展すればね……」
うん。無いな。絶対。
現実的に考えて、不良に絡まれる確率も、それから助けてもらえる確率も、助けてくれた相手が好みのタイプな確率も、そこで声をかけて友達に成れる確率も、とてつもなく低い。
夢見る乙女的な眼をしてる加奈子には悪いが、ケータイ小説はケータイ小説だと思う。