野良ライオンと文系女の猛獣使い
──そう、思ってたんだけど
「加奈子。アンタ今、なんてった?」
あの金髪達と別れてから数日後。大学の講義も終わり、「あー、ちょっとアフタヌーンティーでもしてくー?」という加奈子の意見に賛同して、連れだって歩いている最中のこと。
別に珍しい話題もないまま、近くの喫茶店に入りかけた時、加奈子の口にした発言へのアタシからの質問である。
「うん?だから今度、レオ君と遊びに行こって約束をしたんだけど、何かまずかった?」
思わず頭を抱える。
アタシの聞き違いなら良かったのに、加奈子は平然と繰り返した。
「アンタね……まずいも何も、どう考えたって問題でしょうが」
「そう?」
無邪気に小首を傾げる加奈子は、どうやら分かってない様子。
まず、あの金髪について思うのは、『女に対してだらしない』んじゃないかってこと。一度しか会ってないけど、こちらへの接し方をみるに外れてはないと思う。
というか、アレは加奈子狙いだと思う。確実に。
今回のこれだって、うまくして加奈子をおとそうとしてるようにも見える。っていうか絶対そう。
対する加奈子はその辺分かってないみたいだけど、鈍感って訳じゃない。
ただこの娘の中では『男友達』と会う感覚しかないんだと思われる。
っていうかそうじゃないと月岡君(加奈子の彼氏だ)が、あんまりにも不憫だ。
その辺、かいつまんで説明してみると、「多分大丈夫じゃない?」と気楽な返事。
アタシは、加奈子の交友関係にどうこう口を出せる立場じゃない。
だから行きたいっていうなら引き下がるしかない。
……ないんだけど、
「じゃあ、アタシも行く!」
やっぱり友達のことは心配なのよ。
そんな訳で、二度と会わないつもりだった男との、二度目の相対が決定してしまった。
「加奈子。アンタ今、なんてった?」
あの金髪達と別れてから数日後。大学の講義も終わり、「あー、ちょっとアフタヌーンティーでもしてくー?」という加奈子の意見に賛同して、連れだって歩いている最中のこと。
別に珍しい話題もないまま、近くの喫茶店に入りかけた時、加奈子の口にした発言へのアタシからの質問である。
「うん?だから今度、レオ君と遊びに行こって約束をしたんだけど、何かまずかった?」
思わず頭を抱える。
アタシの聞き違いなら良かったのに、加奈子は平然と繰り返した。
「アンタね……まずいも何も、どう考えたって問題でしょうが」
「そう?」
無邪気に小首を傾げる加奈子は、どうやら分かってない様子。
まず、あの金髪について思うのは、『女に対してだらしない』んじゃないかってこと。一度しか会ってないけど、こちらへの接し方をみるに外れてはないと思う。
というか、アレは加奈子狙いだと思う。確実に。
今回のこれだって、うまくして加奈子をおとそうとしてるようにも見える。っていうか絶対そう。
対する加奈子はその辺分かってないみたいだけど、鈍感って訳じゃない。
ただこの娘の中では『男友達』と会う感覚しかないんだと思われる。
っていうかそうじゃないと月岡君(加奈子の彼氏だ)が、あんまりにも不憫だ。
その辺、かいつまんで説明してみると、「多分大丈夫じゃない?」と気楽な返事。
アタシは、加奈子の交友関係にどうこう口を出せる立場じゃない。
だから行きたいっていうなら引き下がるしかない。
……ないんだけど、
「じゃあ、アタシも行く!」
やっぱり友達のことは心配なのよ。
そんな訳で、二度と会わないつもりだった男との、二度目の相対が決定してしまった。