野良ライオンと文系女の猛獣使い
「けどさ、何であざとちゃんはレオ君のことを毛嫌いするかな?」
あー、ホントにアレとまた会うのかー。憂鬱だなー。うわー、やめとけば良かった。けど、加奈子が心配なのよねー。ちくしょう、そもそもあの金髪があんななのが悪い。
などと、数分前に下した決断を、現在進行形で後悔してたアタシは、加奈子の質問の意味を理解するのに、数瞬かかった。
「……は?なん、で?」
「うん。今までも苦手そうな人と会うことはあったのに、レオ君にはあからさまだなぁ、て。本気で嫌ってるなら、一緒に行くなんて言わないって分かってるけど、それにしたって嫌そうな顔を隠しもしないし」
あからさま、なんだろうか?
絡まれるのが嫌で、そっけない態度を取ったからそれかな?
第一、私は嫌いな人間にはちゃんとそういう態度も取るし。
別にあの金髪だけが特別って訳じゃない。
「うん、そうだねー。でも嫌いな人にも、ある程度の……歩みより?っていうか最低限度の敬意?みたいなの、持って接してるでしょ普段は」
「何?私が無礼だった、って言いたいの?」
「そういうんじゃないかな?なんかこう、遠慮がないって感じ?」
遠慮がない、ねえ……。正直、無礼との違いがわからない。
確かに、あの金髪相手に遠慮なんてしようとは思わなかったけどね。
「アンタがそう感じたんなら、そうなんじゃない?アイツは気を遣おう、って気を起こさせないほど、その……ウザかったし」
後半部分を、ちょっとためらいながら口にする。
あんな奴でも、本人がいない所で悪口に相当する発言をするのは、心が痛んだ。
ちょっとだけ。うん、ほんのちょっと。
「ウザかった?楽しかったと思うけどね、アタシは!……って、そうじゃなくてさ、あざとちゃんのアレはウザいから遠慮しないっていうよりむしろ……」
途中で言葉を詰まらせた加奈子に「むしろ何よ」と先を促した。
加奈子は「うーん」と唸るような声を上げて、やがて分かった!という顔を私に向ける。
「アタシと喋ってる時と似てるんだ!そーかそーか、親しみを込めた遠慮のなさだったんだねっ!」
「…………は?」
相変わらずのトンデモ発言に、私はたっぷり5秒以上かけて、そう応えるのが限界だった。
あー、ホントにアレとまた会うのかー。憂鬱だなー。うわー、やめとけば良かった。けど、加奈子が心配なのよねー。ちくしょう、そもそもあの金髪があんななのが悪い。
などと、数分前に下した決断を、現在進行形で後悔してたアタシは、加奈子の質問の意味を理解するのに、数瞬かかった。
「……は?なん、で?」
「うん。今までも苦手そうな人と会うことはあったのに、レオ君にはあからさまだなぁ、て。本気で嫌ってるなら、一緒に行くなんて言わないって分かってるけど、それにしたって嫌そうな顔を隠しもしないし」
あからさま、なんだろうか?
絡まれるのが嫌で、そっけない態度を取ったからそれかな?
第一、私は嫌いな人間にはちゃんとそういう態度も取るし。
別にあの金髪だけが特別って訳じゃない。
「うん、そうだねー。でも嫌いな人にも、ある程度の……歩みより?っていうか最低限度の敬意?みたいなの、持って接してるでしょ普段は」
「何?私が無礼だった、って言いたいの?」
「そういうんじゃないかな?なんかこう、遠慮がないって感じ?」
遠慮がない、ねえ……。正直、無礼との違いがわからない。
確かに、あの金髪相手に遠慮なんてしようとは思わなかったけどね。
「アンタがそう感じたんなら、そうなんじゃない?アイツは気を遣おう、って気を起こさせないほど、その……ウザかったし」
後半部分を、ちょっとためらいながら口にする。
あんな奴でも、本人がいない所で悪口に相当する発言をするのは、心が痛んだ。
ちょっとだけ。うん、ほんのちょっと。
「ウザかった?楽しかったと思うけどね、アタシは!……って、そうじゃなくてさ、あざとちゃんのアレはウザいから遠慮しないっていうよりむしろ……」
途中で言葉を詰まらせた加奈子に「むしろ何よ」と先を促した。
加奈子は「うーん」と唸るような声を上げて、やがて分かった!という顔を私に向ける。
「アタシと喋ってる時と似てるんだ!そーかそーか、親しみを込めた遠慮のなさだったんだねっ!」
「…………は?」
相変わらずのトンデモ発言に、私はたっぷり5秒以上かけて、そう応えるのが限界だった。