野良ライオンと文系女の猛獣使い
「うゆ?それってどういう意味かな?」

「どうもこうも聞いた通りよ。初めは確かに、アンタの言ったように、悪い印象なんてなかったかもしれないけど」


そこで一旦言葉を切って、コーヒーを口に運ぶ。

……砂糖、入れすぎた。


「実際に話しかけられて、そんなもんは吹き飛んだわよ。何て言うか……私の苦手なタイプ直球だったしね」


そう。結局はそこに戻る。
加奈子から見て、私はあの金髪を嫌ってはいないらしいが、それにしたって第一印象に引きずられてるって考えた方がいい。
その内、完璧に『嫌い』と認識できるだろう。


微妙な味になってしまったコーヒーと、あまり思い出したくない金髪のせいで、絶妙な表情を作った私は、そう説明した。


「うー…、何か納得できないかも」

「納得できなくても良いけど、事実は事実よ?」


そう言い切った私を見ながら、加奈子はまだ納得できない様子で「うー」と唸っている。


「……ねえ、あざとちゃん」

「何?」

「今度の約束。レオ君のことが嫌いだって言うなら、無理してこなくてもいいよ?」

「それは行きます」

「むぅ」


気を遣ってくれてるのか、気まずい空気にしたくないのかは知らないけど、加奈子の申し出は却下。
行きたくないのは事実だけど、加奈子とアイツを二人きりになんてさせられない。


「というか、いつの間にアイツと遊ぶ約束なんてしたの?」


このままだと堂々巡りな気がして、私は話題を変えた。
気に入らない話題なら、さっさと打ち切るって決めたばかりでもあるし。


「レオ君からメールがきてたの。今度、遊びましょーって」

「メール?いつアドレス交換なんてしてたの?」

「いつ、ってレオ君とまともにお話したの一度しかないんだけど?」


それはあの時ということか。
確かに普通に考えたら、あの時しかないハズだけど……。


「どしたの?何かビミョーな顔してるよ?」

「え、あぁ……」


気付かなかったなぁ、って。加奈子とはずっと一緒にいたんだけど、一体いつの間に……。


「はっはーん」

「……何よ?」

「さては嫉妬だなー?」

「そんな訳あるかっ!!」
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