野良ライオンと文系女の猛獣使い
「とりあえず行こうぜー?時間は有効活用しねーとにゃあ」

「そうだねー。あざとちゃん行こ」

「……ええ」


微妙というか、絶妙というか曖昧な表情を作って加奈子に応じる。


「最初はね、映画でも観ようと思ってるんだけど、レオ君はそれでオッケー?」

「にゃははは、オーケーですよー。映画とか久々、何観んの?」

「行ってから決めるー」

「計画性もへったくれもないな、アンタ」


加奈子はどこに行っても、誰に会ってもこんな調子らしい。私がついてくることも、事前連絡してなかったみたいだし。
そういうお気楽極楽な性格は、ある意味羨ましくもある。


……ちょっとだけね。


まあ、映画を推奨したのは私だったりするんだけど。
ほら、二時間くらいの大作観れば、二時間は確実に潰れるし、その間は気まずくも険悪にもならないじゃない。
その後の会話なんて、自然と映画の内容になるから、金髪の突拍子もない発言(加奈子も含む)もある程度抑えられると思うし。


上映作品は加奈子が選ぶと宣言してたので、何を観るかは彼女次第だったんだけど。
これは加奈子に丸投げするんじゃなくて、私も意見を出した方が良かったかもしれない。
まさか今、この場で決めようとするなんて。


「レオ君は、何か観たい映画とかある?」

「いんや。そもそも今やってる映画ってどんなのがあったっけか?」


なんて、移動しながら話をする二人から、一歩引いてついていく。

滅多な映画でも選択されない限り黙ってよう、と内心で決意して、
< 31 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop