野良ライオンと文系女の猛獣使い
ガチャガチャモグモグゴックンもっしゃもっしゃ。


「……よくそんなに入るな」

「わー、カナちゃんスゲー」


前者が私で、後者が金髪。その前の擬音オンパレードが加奈子だ。
より正確に言うと、彼女の発てる食事の音。


なんとか二人を誘導して、近くの定食屋(オシャレさより値段優先)に入った私は、そこで加奈子の食いっぷりを目の当たりにすることになりましたとさ。
いつものことだけど。ホント、なんでこれで太んないかな?
……羨ましくなんてない。


「美味しい物は、沢山食べなきゃ損じゃない?」

「そうかも知れないけど、アンタは食べ過ぎでしょ」

「まだ六分目だよ?」

「「これで!?」」


私と金髪の渾身のツッコミにも、加奈子はどこ吹く風。
変わらないペースで、食事を口の中に運び続ける。


「それにほら、さっきの映画の主人公も言ってたじゃん。『限界は超える為にある』ってさ!」


私の記憶が確かなら、少なくとも食事の限界を超える時に使ったセリフじゃなかったハズだ。というか、そんなかっこよさげなセリフを、食事時に使われても困る。


「あー、アレなー。何回やられても立ち上がってく辺りが主人公って感じしたよなー」


と、コイツはさして違和感を感じていないのか、すんなりと加奈子の言葉から、映画の話題に繋げた。


「あそこが一番盛り上がったよねっ!」

「いやいやぁ、その後じゃねえの?何か、頑張って頑張ってやっと倒した大ボスが変身したところ」

「アレは泣くかと思ったよ、主人公可哀想じゃん!って」

「でも最終的に勝っちまうんだよな!」

「ウンウン」

「ガチだぜ、ガチ」

「観て良かったねー」

「だよなー」


最終的には二人とも『観て良かった』という結論で終息するらしい。
私だってそう思うけど。


ちなみに、よりによって『アニメ映画』を選択した理由だけど、実際の所、これには対した理由なんてない。
ただ、面白そうなハリウッドの大作やら何やらの上映時間が過ぎていて、待ってるのも何だし、適当に観ようと、探した先がこれだった。
他の映画の時間が少しでもズレてれば、そっちを選んだだろう、って話です。はい。
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