深想シンドローム


呆然としていたら、ぐいっと腕を引っ張られて我に返るあたし。


「みぃこ、行こ!」

「え!?」

「いいから、あれ拾うんだよ!」


訳もわからず、明日香ちゃんたちと紙切れを追い掛ける。



ひらひらと風に舞い、真っ白な紙が空から舞い落ちて来て。

そして一枚拾い上げて、息を呑んだ。


「…これ、」


ウソでしょ…?



“そう、葉倉高の生徒たちの署名でーす!約400人分!”


それはこの葉倉高の生徒数、3分の2の人数だ。

するとどうだ、と言わんばかりに西くんは声高らかに言った。


“これで文句は言えませんよね、先生?”



思わず、空を見上げる。

視界に映るのは、まだまだ落ちてくる無数の紙切れ。



「…西くん、」


さっき止まったはずの涙が、頬を伝ってゆく。



「みぃこ。」

「…明日香ちゃん、ヒナちゃん、ちづちゃん…。」


振り返った先には、笑うみんなの姿。



「行こ!」

「…うん!」

そしてあたしたちはたくさんの署名を手に、ある人の元へ歩き出した。






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