深想シンドローム


「紅林先生。」


拾い集めた署名を、先生に差し出す。

未だに舞う署名の雨を見上げ、紅林先生は深く溜め息をついた。


そして―――。





「…全く。お前らの根性にはやられたよ。」


そう言って、観念したように笑った。



その瞬間、わぁっと明日香ちゃんたちが盛り上がる。


「やったぁあっ!!!」

「よかったね、みぃこっ!」

「…っ、」


あたしは返事すら出来ず

体中の力が抜け、ペタンとその場に座り込んだ。




「…やった…。」


無意識に零れる言葉。



やったよ、ミチルくん。

あたし、やったよ。



ねぇ、これでミチルくんにも思い出作れるんだよ。

高校生活で
みんなとの思い出が―――。






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