僕は君のもの
黙りこむと直ちゃんが続きを話せと言わんばかりの目で美紀を見る。
「女の子の友達はできない。っていうか一瞬できたんだけどね。」
「一瞬?」
余計なこと言っちゃった。
「いろいろあって今は無視されてるの。」
「いろいろ?」
そこに食いつかないでよぉ!
「いろいろはいろいろ!!
でも大丈夫。男の子は仲良くしてくれるし。
中学みたいな全員完全シカトってわけじゃないの。あいさつ程度の会話なら普通にしてるよ?やっぱりその辺が高校生だよね~。なんかねぇ、大人な感じ。」
詳しいことを話したくなくて一気にまくし立てる。
「…ふ~ん。」
直ちゃんは興味なさ気にコーヒーをすすった。
よかった。変に詮索されなくて。
「直ちゃんは?どうして学校やめて働いてるの?」
美紀の知らない直ちゃんを早く知りたかった。