僕は君のもの
アップの顔にドキッとした。
「ううん。考えてないよ。なんにも考えてない。」
慌てて両手を左右に振る。
そんな美紀に直ちゃんは苦笑する。
「…しょんねーな。
いつでもおいで。ただし、出席日数だけは確保しとけよ?」
「………!!うん!!!」
やっぱり美紀のヒーローは直ちゃんだ。
直ちゃんだけなんだ。
直ちゃんのお話はなんでも楽しくて面白い。
直ちゃんになら安心して何でも話せる。
直ちゃんの声は美紀の耳にスーッと馴染んで染み込んでいく。
直ちゃんと一緒に居る時の空気はすごく心地良い。
再会したことで思い知らされる。
結局、美紀はまだ直ちゃんのことが好きなんだ。
あの頃から変わることなく。