僕は君のもの




傘を閉じるのももどかしくインターホンを連打する。



「…っせーなぁ。誰だよ!朝っぱらから!!」



怒られるのだって承知の上。



「おはよ。来ちゃった!」



「…マジで?」




ボサボサの頭で半目の直ちゃんが美紀を見て固まる。


「だってやっと雨なんだもん。なかなか降らないからどうしようかと思ったよ。」



昨日の午後から降り出した雨は今朝も勢いを落とすことなく降り続いていた。



「ホントに来るとは思わなかった。
とりあえず上がれば?」



「お邪魔しま~す。」



「んじゃ、おやすみ。」



「え?」




直ちゃんは美紀に手を振りベットにもぐりこんでしまった。



「適当に遊んでな。休みの日くらい寝かせろ。」



それだけ言って美紀に背を向ける。



「え~。」



美紀の不満の声も聞こえてないみたいだ。





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