僕は君のもの
直ちゃんは美紀のことを何て紹介してくれるのだろう…。
「実家の近所に住んでる子です。」
だよね。そうくるよね。
何一つ間違ったことは言ってない。
美紀と直ちゃんの関係はその一言。簡潔にすむ間柄。
わかっていたけど、それでもなんだか淋しい。
「美紀ちゃん。この人は俺の職場の先輩。」
「初め…まして。」
ニコニコと美紀に向かって手を振るその人物を遠慮がちに見上げた。
「よろしく!美紀ちゃん。」
きっと悪い人じゃない。
ただ、この人に慣れるまで時間がかかりそうだ。
「しかし直哉にこんな子がいたとはね。
どう?美紀ちゃん。こいつに変なことされてない?」
「先輩!何言うんですか!?」
新鮮な光景だった。