僕は君のもの
美紀の知ってる直ちゃんは“年上”っていうイメージ。
小学校でも中学校でも。
だけど今、目の前にいる直ちゃんはちゃんと“年下”だ。
まるであの頃の中村先輩のようで、誰かにムキになったり、からかわれたりしている姿がすごくかわいい。
「気をつけた方がいいよ。こいつはロクな男じゃないから。」
いつの間にか祐ちゃんが美紀の肩を掴んで真剣な顔をしていた。
「何か根拠でも?」
「こいつが女に告られた時、何て言うか知ってるか?」
「知りません。」
何!?超知りたい!!
「先輩。余計なこと言わないでください。」
「不特定多数のヤルだけの女の一員ならいいよ。」
「そのしゃべり方は俺の真似ですか?」
直ちゃんのいつもより低い声が響く。
へ~。そうなんだ。
直ちゃんってそういう人なんだ。
ふ~ん。