僕は君のもの
早く来ればいいのに傘立ての所で何かしている。
「ヤマー?どうしたのー?」
こっちを見たヤマは“しまった”という顔をしてグランドの方へ走っていってしまった。
「あっ!!!あいつ!!!」
恭ちゃんが大きな声を出して傘立てに向かう。
「何なに?傘がどうかしたの?」
「あ~。またやられた。」
1本のビニール傘の柄を美紀に見せる。
そこにはマジックで“キョウイチ”と書かれていた。
「俺の傘。これで3本目だよ。
あいつこのイタズラ大好きなんだよなぁ。」
恭ちゃんがどれだけ制服の裾でそこをこすっても全く落ちる気配はなかった。
「油性ペンみたいだね。」
「はぁ~…。」
体中の酸素が無くなってしまいそうな大きなため息をつく。
「ま、なくす心配なくてよかったんじゃない?」
美紀のなぐさめもあまり役に立たなかった。