僕は君のもの



「あゆみ…。余計なこと言うな。」



今まで黙ってた直ちゃんが隣室から顔を出した。



「へ~。余計なことね…。ふ~ん。
そりゃ、すいませんでしたぁ。」



あゆみさんが悪びれた様子もなく謝る。



「ところでさ、美紀ちゃん。」



「はい!?」



「あたし帯の結び方ってコレしか知らないんだけど大丈夫?」



あゆみさんが持っていた大きな鏡で美紀の背中をどうにか見せてくれた。



「大丈夫です。ありがとうございます。」



「よかった~。あたし美容学校行っててさ、美容師目指してんのね。で、着付けくらい出来ないとな~って思って習い始めたんだけど、マジ習い始めなの。だからコレが精一杯。ごめんね?」



一気にそう言いながら美紀に向かって手を合わせる。



かわいい人だな。



年上の人に失礼だと思ったけど素直にそう思っちゃったんだもん。



それと同時にいい人だなって。






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