僕は君のもの



美紀の頭の中は午後からのことで一杯だった。



教室に入る恐怖。

小学1年生の時を思い出す。


あの時、美紀を助けてくれたのは直ちゃんだったなぁ…。





―ドサッ!




美紀の横に何かが降ってきた。



「…?美紀のカバン…。」



「早く食え。」



直ちゃんが美紀を見下ろす。



「直哉!どこ行ってたんだよ?」



「今日もう帰るから。俺と美紀ちゃん。」



不安になって直ちゃんを見上げる。



「大丈夫。担任には話し付けてきたから。」




直ちゃん!!!!




どう“話を付けてきた”のかはさっぱりわからなくて気になるけどいいや!




さすが美紀のヒーロー!!












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