sweet lovers B【BL】
「手、放してよ。俺なんか構ってないで、弓香の所に……」

 拗ねた様な口調の成都を、解放することなんて出来なくて。

 俺は、逆にその腕を引き寄せた。

 俺よりも小さくて、女子みたいに細い体を抱き締める。

 鼻をくすぐる成都の髪からは甘い香りがして、俺は思わず目を閉じた。

 ――自分の腕の中に、成都がいることを実感する。

「ちょ……っ、清治!? どうしたの……っ」

 突然の俺の行動にびっくりしたのか、成都が体を強張らせた。
 それでも俺は成都を放したくなくて、成都を抱く腕に力を込める。

「黙って話を聞け」
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