roulette・4
「お姉ちゃん、みてみて、かわいいね。」
10分足らずでたくましく誇らし気に雪だるまは完成した。
彼女が自慢気にパパに手を振るとパパも雪だるまを見に外へと出てきていた。
「よく頑張ったなぁー」
パパがそう言った途端
彼女が足を滑らせコロコロと雪の中へと入っていく。
パパと私は彼女を追いかけコバルトブルーの雪の中へと足を踏み入れた。
いったいどこまで来たのだろう?
微かに家の灯りがポツリと見える。
辺り一面が真っ暗で雪が降る感触が小さな手のひらに残るだけ。
お姉ちゃん…
小さな声が私の耳に届くころ、パパは彼女を見つけて抱き寄せていた。
いつもそう。
彼女には優しい。
彼女なんてこのまま雪の中へ埋まってしまえばいい。