roulette・4
パパの大きな手が彼女の小さな手に絡まった瞬間
ふわりと私の意識が飛び、私が私じゃあなくなっていた。
幼い私が持てるような石を拾い後ろからパパの頭に向かって何回も何回も……
私の小さな手いっぱいにこびりついたどす黒い赤い血。
その横で狂ったように泣き叫ぶ彼女。
天使の遊び場のような雪の上に点々と染まる血痕。
パパは私のものよ。
誰にも渡さない
誰にも。
「お姉ちゃん…」
彼女は身体をガタガタと震わせ涙をいっぱい溜めて私を見詰めていた。
「ねぇ、二人の秘密よ。」
彼女を抱きあげそういうと彼女は首を縦に動かした。
あなたは私で
私はあなたなんだから。
同じ運命なのよ。
二人はいつでも一緒でしょ。