続・天使が舞い降りた。
何かを思い出したように突然大きな声を出した美紀。
「ごめん! ちょっと私、お父さんに頼まれた用があるんだった!」
「えっ?」
美紀は慌しそうにエプロンを脱いで、お店から出て行こうとする。
「10分くらいで戻ってくるから。飲み物、適当に飲んでてね!」
「ちょっと、美…」
「ごめんね!」
美紀はそう言ってお店を出て行ってしまう。
そのわざとらしい"演技"に俺はボーッとしたまま。
俺と凛を2人きりにしようという美紀の気遣いは見え見えだった。
「…行っちゃいましたね」
取り残されてしまった俺と凛。
誰もいない閉店後のカフェに2人きり。
何とも言えない微妙な空気が流れる。