双子悪魔のホームステイ



「色気の無えガキがギャアギャアうるせえよ。大体、おまえはな……」


「色気無くて悪かったですね!!」


「うおっ!?枕投げるなって!」


クッションに枕に人形など、クレイに向けて手当たり次第に物を投げる結祢。

クレイは右目を閉じて、左腕で顔をガードしている。



「な、なになに?枕投げしてるの?楽しそう……。俺も参加したいなあ。」


目を閉じたまま質問するディザスに、楽しくなんかありませんと結祢の抗議が飛ぶ。



「楽しくねえなら、やめ……」


「うるさいですわね!ご近所迷惑ですわよ。いい加減にしなさい!」


クレイの言葉を遮るように、部屋のドアがバンッと激しく開いた。


驚いた結祢は枕を右手に持ったまま、ピタリと動きを止めて声の主を見る。

声の主は、双子悪魔の母親であるロールであった。



「んっ?母さん?」


「ディザス……あなたは目隠しごっこでもやっているのですか?とりあえず、目を開けなさい。」


ロールに言われ、ディザスはゆっくりと目を開けてパチパチと二度まばたきをした。
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