双子悪魔のホームステイ



「初めから大技使ってくるお前の方がズルいだろ、ディザス。」


クレイは左右に身を交わすだけで、かすり傷一つ負わずに全ての槍を避けた。

標的を失った槍は地面に突き刺さり、トストストスと刺突音を立てる。



(すごいです、二人共……。悪魔というだけのことはあるんですね……。)


結祢は噴水の裏に移動して、二人の戦いを半ば恍惚の表情で眺めていた。

身を隠しているその噴水の前の地面に一本、槍が刺さっていることには気づいていないようだった。



「だって、このくらいやらないと、クレイには勝てないじゃんかー。」


「わかってんなら、降参してその女の身柄を引き渡せ!」


「それは、お断りぃ!スピアーレイン!」


ディザスは再び腕輪を使って、槍を出現させる。
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