双子悪魔のホームステイ



「だけどさ……」


「こうなった以上、あいつとやり合う他に無えだろ。それとも、ディザス……お前はあのティディとかいう死神に負けるのが怖えのか?」


「そんなことは無いよ!俺は、絶対あいつには負けない。それが母さんへの……弔いとあいつへの罪滅ぼしになると思うから。」


クレイの質問に答えるディザスの口元は歪み、ひどく苦々しげだった。



(吹っ切れていたように見えましたが、やはり心の奥では苦しんでいるんですね、ディザス君……。)


ディザスを助けられない自分をもどかしく思った結祢は、目を伏せて胸の前で拳をきゅっと握った。

そんな二人を見て、



「何を二人して暗くなってんだ?通夜じゃねえんだから、そんなしみったれた顔すんなよ。」


クレイは二人の真向かいから間に入り、左手を結祢の頭に、右手をディザスの頭にぽんっと軽く載せた。
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