いちばんの星 -side episode-


「悪い…何か、大事な話しか?」



ミュリエルの側へ歩み寄ると、そっとその肩を抱いてソファーへ座らせる。



「ラナに、結婚の話がきているそうなんです」

「結婚っ?」



思わず声を上げたヴェルヌ。



ミュリエルは、ヴェルヌのその美しい瞳をじっと見つめる。



「スティーク様は、いったい何をなさってるんです?」



ミュリエルの僅かながら怒りを含んだような声に、ヴェルヌは言葉を失う。



自分をじっと見つめるその大きな水色の瞳があまりにも美しくて…



「ミュリエル…」



ヴェルヌは無意識にその頬にそっと触れる。



「誤魔化さないでください」
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