いちばんの星 -side episode-


ミュリエルには式の後城を辞めると言ったが、ラナはそれよりも前に、ひっそりと辞めようと考えていた。



本来ならば、親友であるミュリエルの結婚を一番近くで祝いたかった。



しかし、自分勝手だと思いつつもラナは少しでも早く城を離れなかったのだ。



自分の気持ちが…再びスティークに向いてしまうかもしれないという不安、ラナはまだきっぱりと気持ちの整理をつけられずにいた。



だから、ミュリエルの結婚は使用人としてではなくひとりの国民として…エバンの妻として見届けるつもりだった。



ラナは再びその手紙を引き出しに戻すと、ゆっくりベッドに腰掛けた。



その時。



< 76 / 107 >

この作品をシェア

pagetop