いちばんの星 -side episode-


「ラナ、起きているかしら」



突然部屋へと訪れたその声の主は、



「…エルトさん?」



ラナのその言葉に、ドアがゆっくりと開いた。



「夜遅くにごめんなさいね」



扉の向こうに立っていたのは、サヴィアーノの城の使用人頭を務めるエルトだった。



いつもと変わらず真面目なエルトの表情に、思わずラナは緊張してしまう。



「あの…私、何かしてしまいました…?」



こんな時間にエルトが訪れた事で、すっかり自分が何かしてしまって怒られるのだと思ったラナは、今にも泣きだしそうな顔でエルトを見た。



「あら、何か心当たりでもあるのかしら」



ラナのそんな様子を見たエルトは、ニヤリと微笑んだ。



< 77 / 107 >

この作品をシェア

pagetop