いちばんの星 -side episode-
「ラナ、起きているかしら」
突然部屋へと訪れたその声の主は、
「…エルトさん?」
ラナのその言葉に、ドアがゆっくりと開いた。
「夜遅くにごめんなさいね」
扉の向こうに立っていたのは、サヴィアーノの城の使用人頭を務めるエルトだった。
いつもと変わらず真面目なエルトの表情に、思わずラナは緊張してしまう。
「あの…私、何かしてしまいました…?」
こんな時間にエルトが訪れた事で、すっかり自分が何かしてしまって怒られるのだと思ったラナは、今にも泣きだしそうな顔でエルトを見た。
「あら、何か心当たりでもあるのかしら」
ラナのそんな様子を見たエルトは、ニヤリと微笑んだ。