隣のキミ


「好きだと思う」

「……そっか。
 なんでさ………
 好きなのに別れなきゃ
 いけないの?」

「………だから…
 言ったじゃん。」

「…………何を?」

「あたしを守った事とか
 彼女が知ったら
 嫉妬するって。
 彼女は片岡が学校で
 誰かに優しくしてる事に
 ずっと我慢してたんだよ」

「…………………。」

「彼女以外、他人なんだから
 守るとか彼氏みたいな事
 しちゃいけないんだよ。」

「…………………。」

「…………片岡…?」

「………………ん?」

「なんか答えてよ。」

「あ、あぁ………」


片岡と話し込んでいて
学校の近くの公園で
結構な時間を潰していた。
ブランコに座って
真っ暗の公園を見渡した。

そろそろ帰ろうと
思っていたそんな時に

背後から懐かしい
もう一生聞きたくもない
あいつの声がした。


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