隣のキミ
「…もしもし?岡崎?」
恐怖で声がでない。
耳元で聞こえる片岡の声も
遠ざかるように
あいつの声が響いた。
「久しぶりだな、瑠実」
「……将吾………」
携帯を耳に当てたまま
そう口にしていたため
片岡が聞いていた。
「おいっ岡崎!
将吾って………。」
片岡に返事も出来ず
近づいてくる将吾に
後ずさりをしたが、
壁にぶつかって逃げれない。
「助けて………」
必死で出した言葉。
「岡崎…お前どこだよ」
「学校の…近くの……
………いやっ」
「おいっ―――――――」
電話は途絶え、
将吾に苦しくない程度に
首を絞められた。
だけど少しでも抵抗すれば
手が力み苦しくなる。
動けない。
「…やだっ……」