もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
空を見上げると陽が傾いてきている。ここに長居しすぎるとおばさんの言った通りになるかもしれない。
しかし、体は全く動かなかった。否、体も心もここから離れたくないと訴えていた。
ふいにカサリと草が踏みつけられる音がした。何気なしにそちらに目を向けて、あたしは息を止めた。
な………どうして、
「………雪那」
「け……慧斗……?」
どうして、彼がここにいるの?
よろよろとしながらあたしは立ち上がる。一歩、一歩と慧斗があたしの方に歩いてくる。
「ようやく……見つけた―――!!」
逃げる暇なんかなくて、あたしは慧斗に抱き締められた。
心から安堵したような声にあたしは戸惑ってしまう。