もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
大きな屋敷みたいな家だから一つ一つの部屋も広い。
慧斗の部屋はモノトーンで、必要最低限以外は置いてないみたいだった。
ダブルベッドに、ソファーにテレビ。リビングみたいだ。
「広ーい」
「ちょっと着替える」
そう言って慧斗はクローゼットに近づく。あたしは、慧斗の着替えを見ないように背中を向けた。
なるべく後ろを見ないように部屋を見渡す。
広い。けど一人でこの部屋は何だか寂しいな。
「雪那」
名前を呼ばれて振り返ると既に着替えを終えていた慧斗がいた。
着替えるの早い。
「荷物は、明日にでも取りに行く」
「………本当にあたしはここに住むんだね……」
「当たり前だ」
ちょっと冗談じゃないかな……なんて思ったのに。