もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………なぁに?」
「親父に何か言われたか?」
心配そうに聞いてきたから話は聞かれてなかったんだとホッとする。
あたしが、何も言われてないと答えると、慧斗はホッとしたようにあたしの頭を撫でる。
「腹、減ってないか?」
「………少し」
「先に食べてから色々準備するか」
「うん」
あたしが頷くと慧斗はあたしの手をつかんで歩き出す。繋がれた手は温かくて、イヤではなかった。
「ねぇ慧斗」
「なんだ」
「どうして、あたしに良くしてくれるの?」
今日知り合ったばかりなのに、とあたしが言うと、慧斗は、心配だからと言う。