Dear...
「例えば、お前が俺を食べたとしよう」

何とも言えない気持ち悪さがせりあがってくる。真顔でそんな会話が出来る孝司が不思議だ。

「気持ち悪い」
「聞くだけ聞いとけ。で、咀嚼されて細かくなった肉は、嚥下され、消化器官を下りながら胃に到達する。タンパク質が消化酵素ペプシンによって分解されて、より消化しやすい形になる」

口から、腹の辺りまで指を下げていく孝司。リアルで、気持ち悪いが、孝司の話には大抵何か含むことがある。よく聞いておいて損はない。そもそもそんな孝司に同性にあるまじき感情を抱いているのは他でもない自分である。
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