Dear...
「で、小腸まで俺の肉が下っていくわけだ。小腸に物が入ってくると、膵液、胆汁、腸液が分泌される。さっきの胃液とは違ってこっちは弱塩基。だからペプシンが働きすぎるのを抑えつつ、トリプシンとキモトリプシン、エレプシンがタンパク質をアミノ酸に分解する。また、ステアプシンが脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解していく。要らない物だけを排泄して、悠希に必要な物だけが、腸壁面で吸収されるんだ。…どう?何か分かった?」
下腹部まで下げた指を戻し、俺の頭を小突く。
「…えっと…」
「お前、頭良くても発想鈍すぎ」
「孝司みたいな雑学王じゃないし仕方ないだろ」
「馬鹿、こんなもん電子辞書があったらすぐに調べられるだろ」
「それを全部覚えてるのが凄いんだよ」
休み時間も少なくなってきた。仕方ないなぁ、と孝司は苦笑する。
下腹部まで下げた指を戻し、俺の頭を小突く。
「…えっと…」
「お前、頭良くても発想鈍すぎ」
「孝司みたいな雑学王じゃないし仕方ないだろ」
「馬鹿、こんなもん電子辞書があったらすぐに調べられるだろ」
「それを全部覚えてるのが凄いんだよ」
休み時間も少なくなってきた。仕方ないなぁ、と孝司は苦笑する。