Milky Milk ~間違いないのは1つ~


「あの…新しいバイトの者ですが」


「え。…ふーん…」

その男は上から下まで海を見つめ、一言。「そんな緊張してて、大丈夫なの」


「き、緊張なんてしてませんが」

「スカート」

その男はスカートを指差した。「うらっかえし」


途端、海は顔を赤くし、急いで着替えたのを後悔した。男はにやにや笑っている。


無性に腹が立った。接客態度悪いのに、人を小馬鹿にするとは…。


「急いで来たんです」


「へえー。…髪ボサボサ、スカーフよれよれ、くつボロボロ。どんだけ急いだの」


「きっと、今までの私の中で一番足が早かったと思います」


「知らないし」

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