Milky Milk ~間違いないのは1つ~
だが、父は仕事を辞め、日本に帰ってくるそうだ。海にとっては、肩が楽になる話だ。こうして一緒登校するのは、父から頼まれたことだから。少しは自由になれるだろう。
「わかってるけど…父さん帰ってくるんだぞ!嬉しいに決まってんじゃん!…あれ、ミノリはうれしくないの?」
雪斗は海の隣をむすっと歩く実を覗く。
「嬉しくなんかない。お兄ちゃんのせいで」
「はっあー??俺??なんで。ー…あ。さっきソーセージ食べたのまだ根に持ってんな?」
ミノリはまだまだガキだなあ…、すかさず、実は雪斗を睨む。
「お兄ちゃんがいけないんじゃない」
それは、今朝の出来事だった。雪斗は実の分のソーセージを盗んだのだ。