Milky Milk ~間違いないのは1つ~
父が帰国した理由は、単純にリストラだった。このままでは危ない。
だからこそ、海はある決心をした。
海の通う高校では、決して許さない流域。海は、禁断の流域と呼んでいる。
そこに踏み入れようとするのだ。もちろん、家族には内緒だ。「これから帰り遅くなるかも」とだけ告げた。
ある、喫茶店の前で足を止める。やっと見つかった。まだ出来たばかりらしく、赤い屋根や全面ガラスは綺麗だ。そしてほのかに木の匂いがする。
看板には、「Milky Milk」とかかれていた。
海は最初の一歩を踏み込んだ。