―百合色―
『はい!』

俺はそれを受け取り、サクッと一口食べた。


口に広がる、林檎の蜜と、ほのかな甘さ。


『百合…今日なんかあった?学校で…』


『ん?何にもないよ!』


『そっ…か…』


まためまいを起こした。


グルグルと世界が回っている。


『ほら、光輝寝てなよ!』

百合が俺を抱きかかえ、
ベットに寝かせてくれた。

『何か…俺ダサいよな…』

カチカチと時計の秒針の音が響く。


『え?』


俺は百合に背中を向けた。

『百合にこんな姿見せたくねぇよ…』


枕に顔を埋める。

赤い顔が更に赤くなる。


そんな俺を見て百合は笑った。


『何言ってるの~?ほんとに光輝ってばかね…』


『…るせ─…』


『光輝、ゆっくり休んでね、それで明日学校に来てね。私門限あるから帰るね…』


百合はその場を立ち上がった。


俺は手を百合に差し出した。

最後に手を繋ぎたかったから。
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