相想相愛
ハードル越えて
━気づけば夕方
いつのまにか寝ていた。
でもずっと玄関や部屋の外から
声が聞こえる。
学校には言ってないみたいだ。

「優衣、直輝くんが・・・」

部屋のドアが開く音がした。

「・・・直輝?」
「優衣、大変だっただろ?」
「うん・・・」
「俺はずっと優衣の見方だから。
 だから、昨日なにがあったか教えてくんない?」
「昨日、友達が掲示板に私と直輝が
 付き合ってるって載ってたんって。
 でね?ファンが私から直輝を引き離そうと
 したんだって。私、そんなの承知で付き合おうって
 決めてたから、別に外出を控えれば
 いい。って思ってたの。
 でも、みんな別れろって。
 遠まわしに言ってて。
 みんなずっと隠してたんだよ。
 こうなるってわかってたのに。
 私が傷つかないようにって
 配慮してくれたのはうれしいけど
 でも・・・」
「優衣、とりあえず守ろうって
 思ってくれた友達や家族には感謝しよう?
 誰だって、優衣が傷つかないように
 守りたくなるんだよ。
 俺だってそう。
 家族や友達や大切な人が
 傷つきそうだったら守らないといけないって
 思う。でもそれがゆえに行動が
 おかしくなることだってある。
 なのに一方的に優衣が心
 閉ざしてても、みんなには伝わらないだろ?
 まず、部屋から出てみんなに
 ありがとうって伝えよう?」
「・・・うん。」



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