群青ノ春
紗英子は奈緒より二つ年下だったが、大学を卒業してすぐこのデザイン事務所で働いている為、
仕事上先輩なのだ。





こういう時の紗英子は愚痴りたいのだ。



奈緒は早く帰りたかったが、
先輩と言うより紗英子の誘いが断れる訳が無かった。





「了解…。



自宅に連絡入れるからちょっと待ってて下さ〜い」



「あーい、早くねーん」





紗英子はグロスを塗り直しながら間の抜けた返事をした。
< 6 / 25 >

この作品をシェア

pagetop