年上。
まぁ、情報屋なんてのは、一番安全だから死にはしないだろうがね。

同業者からは狙われることになるぜ? 知ってはいけない情報ってぇのもあるんだから。

「で、それを俺に教えてどうする心算なんだ?」

こいつの魂胆は見え見えだが。

「俺とあの先生をお近づきになるのを手伝って……」

「俺にそれを頼むのは無理がある」

「知っているぜ? お前は、見ず知らずの女生徒が恋い焦がれている相手と見事にくっつけたこと」

……気紛れで行った事を、よくもまぁ知っていることだ。

こいつは早く始末しないと、俺の身が危ないか?

いや、まだ機では無い、か。

「だとしても、俺とあの教師につながりがない」

「これから、出来るだろう?」

「出来ると、思っているのか?」

「ふふ、お前が図書委員でかの女性がそれの顧問であるという事は俺の知るところだぜ!」

なるほど。そこからか。

残念だったが、今はそんな気分では無い。

普段なら戯れるところだが、俺は今読書をしたいのでな。

「悪いが気乗りしない。やるんなら、自分の力でやって見せろ。俺が手伝った奴は、それなりに努力をしていたぞ?」

「ふふ、俺が努力をしないとでも?」

ああ、そう見えるね。少なくとも、俺の目からは。

< 16 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop