lotlotlot3-血脈の果て-
体から泡が噴き出してくる。大きい泡、小さい泡。様々な泡が噴き出してくる。ただ、色は一種類だ。黒。僕の中にいた毛の色だ。
体を駆け巡る毛を、体内で強制的に溶かした。そして、それを泡として噴き出させる。徐々にではあるが、全身が細く元通りになってきた。
シュワワワ・・・。泡の弾ける音が止まらない。いつまでも深い森の中に聞こえていた。
<いつまで続くんだろう・・・?>
柔らかい刺激が気持ちいい。けど、ずっと続いてほしいものではない。動くことは出来ないから、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
シュワワワ・・・。シュワワワ・・・。シュワワワ・・・。

あとでわかった事だ。あの毛の塊は寄生虫の類らしい。様々なものに寄生し移動をしたり、寄生した生物を中から食い荒らすらしい。
僕は前者だったらしい。だから、あんなに大きなものが全部、僕の中に入り込んだのだ。食べるつもりなら、入った途端にやられているだろう。言術なんて使う余裕もなかったはずだ。
僕は変なところで運を使ってしまう。ここぞと思う時には、箸にも棒にもかからない。変な不安が、僕の頭を過ぎった。
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