lotlotlot3-血脈の果て-
奪い合う魂、見失った魂
魂を入れ替えるなんて聞くと、真っ暗な部屋にろうそくが灯りなんて感じの怪しい雰囲気が漂う場所だとばかり思っていた。なのに、どうだろう。リーグが呼ばれた場所は、暖炉のある暖かい家庭を思わせる部屋だった。その部屋の真ん中でロッキングチェアを揺らしながら、るるんぱは待っていた。
「やぁ、来たね。」
「準備が出来たって事だよな?」
「まぁ、そんなところかな。」
「じゃ、とっとと親父を解放しろっ。」
リーグは命じた。
その時だ。リーグの後ろにいたわわが、リーグの頭を思い切り殴りつけた。
勢いよくリーグは倒れた。気を失っているようだ。
「わわ、手加減してくれよ。この体が当面、僕なんだよ。入れ替わったら、頭が痛くてしょうがない・・・なんて勘弁してくれよ。」
「申し訳ありません。つい・・・。」
リーグを快く思っていなかったわわは思いの外、力を込めていた。殴りつけた木の棒が折れ、床に転がっている。
「わわ、さっき話した事覚えてる?」
「はい。」
「そうか、じゃ、これからやるから・・・。あとはよろしくね。」

るるんぱとわわは、リーグを呼ぶ前にこんな話をしていた。
「わわ?」
「なんでしょう?」
「わわは魂の入れ替え、実際に見るのははじめてだよね?」
「はい。どんな儀式を行うのですか?」
暖炉の青色の炎が、わわの顔を冷やす。そのせいで暖炉側にある右頬から、徐々にではあるが赤みを奪っている。
「儀式なんてないさ。魂を自在に取り外せる者なら、ちょっと買い物に行くような感じで入れ替えが出来る。」
「そうなんですか?」
ちょっとした驚きだった。
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