指先から恋をする。
ちなみにまだ、千架の腕は輝の腰に巻き付いていたりする。
いい加減、離れてくれないかな…なんて思って溜め息を吐いた。
「っていうか、千架って呼んで下さい!!」
「はいはい、千架ちゃん」
半ば叫ぶようにして強要する千架に、憐は頭を撫でながら言う。
ようやく名前を呼んでもらえたのが満足らしく、満面の笑みを浮かべていた。
なんだか、小さな女の子をあやしているような。そんな感覚である。
千架は童顔でもあり、下手したら中学生よりも小学生に見えてしまうかもしれない。
それよりも、本当に離れてくれないかなぁ、と輝が苦笑した。