愛の雫
凪兄と一緒に電車に乗ったあたしは、ドアに寄り掛かりながら外の景色を見つめていた。


流れるネオンは、まるで数本の線のように街を飾っている。


ふと隣に立っている凪兄を見上げた時、彼と目が合った。


その直後、凪兄がフッと笑みを零した。


「希咲は昔から変わってないな」


「え?」


「どんなに駄々をこねてても、カラメルミルクで大人しくなるだろ?」


「別にそんな事ないもん……」


眉を寄せながら呟くと、凪兄がまた笑った。


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