愛の雫
両手で持ったマグカップに口を付けると、甘い香りが鼻をくすぐった。


大好きなカラメルミルクの香りは、あたしの心を落ち着かせてくれる。


一口飲むと、口の中で優しい甘さが広がった。


「美味しい……」


思わず声に出た本音に、少しだけ照れ臭さを感じてしまったけど…


あたしの言葉を聞いてフワリと笑った凪兄を見て、心まで温かくなった気がした。


「希咲専用メニューだからな」


優しい笑みを見せる彼の言葉に、何だかくすぐったさを感じてしまう。


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