愛の雫
「勝手にすれば?てか、マジで何なの?アンタ達といると萎(ナ)えるんだけど……」


不機嫌に呟いた絵里香が、バッグに荷物を押し込んでから席を立った。


「ごめんねっ……!」


咄嗟に謝ったあたしに背中を向けた絵里香は、何も言わずに足早に立ち去ってしまったけど…


彼女がいなくなった事に胸を撫で下ろして、心底ホッとしていた。


「あの、希咲ちゃん……。大丈夫?」


心配そうにしている朋子の声でハッとして、ため息混じりに頷いてから小さく笑った。


< 389 / 830 >

この作品をシェア

pagetop