愛の雫
その後は、いつも以上の忙しさに目が回りそうだった。


スタッフ全員で、休む暇も無く店内を走り回る。


「やっぱり、スタッフ総出にすりゃ良かったか……」


キッチンで動き回っていた店長が、何度もため息混じりに嘆いていた。


「そうですよ!このままだと、皆ラストまで持ちませんよ!」


いつもはテキパキと仕事を熟す乃依さんも、今日は余裕が無いように見える。


ちょうどカウンターに戻って来たばかりだったあたしは、思わず彼女に同意するように大きく頷いてしまった。


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